印鑑証明が取得できない~外国法人と自動車登録~  

2021-02-26

自動車登録で困ることの一つは、印鑑証明書を取得できないということです。

今回は、印鑑証明が取得できないケースのうちの一つ、外国法人について解説したいと思います。

 

外国法人と印鑑証明

外国にある法人が自動車登録をしようとした場合、日本で登記をしていなければ、日本の印鑑証明を提出することができません。

自動車の所有者になるためには、原則として印鑑証明書で本人の意思を印鑑証明で確認します。

印鑑証明が出せない場合は、他の方法によって意思確認をする必要があります。

日本で登記して印鑑証明書を取得する場合

会社法では、外国会社が日本において取引を継続する場合は、日本における代表者をさだめるように規定しています。(会社法817)

代表者を決めたら継続的な取引を始める前に外国会社の日本における代表者を登記します。登記が完了した場合は、印鑑証明書が発行されるので、そちらを使って自動車登録が可能です。

継続的な取引がなく、自動車を所有できるのかという問題はありますが、外国法人に一回だけ贈与するということも論理的には成り立ちうるので、登記をしていない場合でも印鑑証明書に変わる書類があれば自動車登録をしてよい事になっています。

質問

外国法人が所有者となる揚合の取り扱いはどのようにすればよいか。

会社法817818条では、日本における代表者を定めて登記をしなければ日本での取引きができないこととされているが、日本での登記がない法人でも名義人となれることでよいか。

回答

日本で印鑑証明を取れる場合について日本の法人の取り扱いと同じ。

(3-21) 日本で法人登記がされておらす印鑑証明が取得できない揚合にあっては実施要領「1-i(1)}’f⑥」のとおり。

※いずれの揚合にあっても所有者の住所は本国における住所で登録する。

引用元:自動車登録業務等実施要領 質疑応答集 平成294月【3-21

 

日本に登記のない外国法人の提出書類

外国法人で印鑑証明書が発行できない場合には下記のいずれか書類が必要です。

  1. 本国法に準拠して成立し法人格を有していること、法人を代表する権限を有するもの及びその者のサインについて、当該外国の官憲が証明した書面

  2. 日本における領事等が当該商事会社は本国において法人格を有する旨及び日本における代表者である旨を認証した書面と日本における代表者のサイン証明書

また、上記の添付書類が、外国語により作成されている場合は、必要に応じて翻訳した者が氏名及び住所を記載した訳文を添付する必要もあります。(2020年12月改正により押印が不要となりました。

引用元:自動車登録業務等実施要領 (国土交通省のページ)

外国の官憲が証明した書類とは

1の外国の官憲が証明した書類を提出する場合は、外国の代表者が、外国で証明してもらい、その書類を日本に送付する形になります。

 

証明内容は下記の3つです。

その外国法人が法人格を有していること

日本でも法人格を有さない集団があります。町内会や、学校のOB会などは集団ではあっても、法人格を有しません。

自動車登録をしたいという外国法人が、ただの集団ではなく、法人であることを公の機関で証明してもらいます。

サインした人がその法人の代表者であること

サインの証明をもらうにあたり、サインはその法人の代表者が行うこととなりますが、サインをした人がその国の代表者であることを証明する必要があります。

証明方法は、国によって異なりますが、外国の法人なので、証明方法は外国法人の代表者の方がご存知と思われます。

サインの証明

サイン証明は、サインの形だけを証明するものではなく譲渡証明書や委任状について公証人の面前で署名を行い、それを証明してもらうものが望ましいとされています。

国によってルールも違うので、サインだけの証明書であっても受理されないわけではないですが、サインの同一性の判断はなかなか難しいので、内容をすべて埋めた委任状や譲渡証明書を作成し、押印欄に公証人の前でサインする方法をとることが推奨されます。

 

日本における領事館の証明

日本における代表者が、在日外国領事館で証明書を取得します。証明内容は、外国で証明する場合と同様に、法人格があること、代表であること、代表者のサインです。

領事館での発行の場合は、外国での代表者ではなく、日本における代表者のサインでいいということに注意が必要です。

 

外国の印鑑証明書が取得できる場合

法人印鑑

海外でも印鑑文化があり、印鑑証明書が発行される場合は、外国の印鑑証明書を添付することが可能です。

台湾では印鑑証明書が発行されるので、台湾の実印を印鑑証明書や譲渡証明書に押印し、印鑑証明書に翻訳文をつけて提出します。

韓国では印鑑証明書の5年以内の廃止を2009年に表明していますが、少なくとも数年前は印鑑証明書が発行されました。現在も領事館で印鑑証明書が発行されているので、まだ廃止されていない可能性が高いです。

 

 

 

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