レンタルオフィスで車庫証明を取るには

2020-08-27

車庫証明とレンタルオフィス

コロナ禍の影響もあり、今まで広いオフィスを使っていた会社さんも、小さなオフィスに移動したり、レンタルオフィスを使用するというケースも増えていると思います。
最近、レンタルオフィスで車庫証明が取れるかという相談をいただきますので今回は記事にまとめています。

 

結論としては、レンタルオフィスであっても、仕事場として使われていて、車両の管理もしっかりしているのであれば、車庫証明は取得可能です。

レンタルオフィスを拠点として車庫証明を取得する場合、登記されている本店・営業所かどうかで難易度が変わりますが、難易度の高い登記されていないケースを前提で解説します。

レンタルオフィスで車庫証明を取る3つのポイント

  1. 営業活動の拠点として実際に自動車が使用されていること。
  2. 自動車の点検整備、運行管理の実態があること。
  3. その営業拠点が継続的に使用されること。

必要書類(疎明)について

法律で定められた提出書類

  • 申請書
  • 所在図
  • 配置図
  • 使用権限原の疎明書類

申請書については、申請の名義人に注意しましょう。後に取得する車検証の使用者欄と一致していることが必要です。

所在図・配置図については、その地域の書き方の見本に合わせて記載してください。

使用権限原の疎明書類については、通常駐車場も借りるでしょうから、契約書か、保管場所使用承諾書が必要となります。

契約書の場合は保管場所使用承諾書に書かれている事項がすべて記載されている必要があります。

取得に費用がかからないのであれば、保管場所使用承諾書の使用をおすすめします。

気をつけるのは使用期間です。

車庫証明の有効期限は概ね1ヶ月(40日)となっているので、使用期間が短い場合は受け付けてもらえません。

法律上定められてない提出書類

法律的に使用の本拠の位置についての書類の提出義務はありませんが、速やかな審査に協力するために、地域ごとに下記の書類のいずれかを提出する慣例があります。

  • 公共料金の領収書
  • 課税証明書
  • 営業証明書
  • 消印のある封筒

これらの書類は義務ではないので、警察の担当者に対して、疑義があるときには現地調査をしてもらうようにお願いしてみましょう。

担当者によっては慣例を強いるケースもありますが、そのときには「警察庁丁規発第87号平成30年7月24日自動車の保管場所証明申請等の適正な取扱いについて」という通達がありますので、弊所までご相談いただければと思います。

お問い合わせ・無料相談

なお、使用の本拠の位置が登記されている本店・支店の場合はこれらの資料は必要ありません。

謄本のコピーを提出するとスムーズに処理される可能性がありますが、こちらも提出義務はありません。

注意事項

警察としての懸念はいわゆる「車庫飛ばし」です。

レンタルオフィスで品川ナンバーを取得した後に、すぐに移転して別の場所で品川ナンバーを使用した場合は、車庫飛ばしだと判断される可能性があります。

車を管理する場所を変更した場合には、車検証の書き換えが必要ですが、そういった申請がしっかりされていないという現状があります。
しかし、意図的に実態と違う状態を作り出した場合には、処罰される可能性は高くなると思われます。

短期的にレンタルオフィスを解約した場合などは、必ず次に使う場所で車庫証明を取得して車検証のか書き換えを行ってください。

参考通達

警察庁丁規発第74号 平成26年12月12日
自動車の保管場所証明等事務に係る「自動車の使用の本拠の位置」の解釈基準について

1 自動車の使用の本拠の位置

自動車の使用の本拠の位置とは、原則として、自動車の保有者その他自動車の管理責任者の所在地をいい、具体的には、自動車を運行の用に供する拠点として使用し、かつ、自動車の使用の管理をするという実態を備えている場所であるか否かで判断することとなる。

なお、道路運送車両法における「自動車の使用の本拠」についても、「自動車を運行の用に供する場合において当該場所を拠点として使用し、かつ、点検整備、運行管理等自動車の使用を管理する場所である。

通常は、自動車の使用者の住所がそれに該当するが、店舗、事務所等他の場所であってもその場所において前述のような機能が営まれていれば、その場所が使用の本拠となる。

しかしながら、そのような機能が果たせない自動車の置場、例えば単なる貸し車庫等は、保管場所とはなっても使用の本拠には該当しない。」と解されている(「自動車の使用の本拠の位置について(回答)」(運輸省自動車交通局技術安全部管理課長から警察庁交通局都市交通対策課長あて平成7年8月15日付け自管第52号))。

4 「使用の本拠の位置」の認定に係る具体的取扱い

(2) 法人に係る具体的取扱い

ア 法人登記がなされている営業所の場合

自動車の保有者が法人である場合に本店・支店として登記されている営業所は、通常、使用の本拠として認められ得るが、登記の事実のみで、実際に営業活動が行われている実態がなく、当該自動車の点検整備、運行管理等その使用を管理する機能を有していない場合は、当該営業所の所在地は、使用の本拠の位置には該当しない。

イ 法人登記がなされていない営業所の場合

法人登記がなされていない営業所であっても、そこを営業活動の拠点として実際に自動車を使用しており、かつ、当該自動車の点検整備、運行管理等その使用をそこで管理している実態があるときは、使用の本拠の位置として認められることもあり得る。

 

警察庁丁規発第87号 平成30年7月24日
自動車の保管場所証明申請等の適正な取扱いについて

1 申請等に係る適切な取扱いに関する基本的な考え方

申請等の際に警察署長に提出する必要がある自動車保管場所証明申請書(以下「申請書」という。)、自動車保管場所届出書(以下「申請書等」と総称する。)及び添付書面については、自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則(平成3年国家公安委員会規則第1号。以下「規則」という。)において定められており、申請等の際に規則に定められた必要書類が全て提出されているのであれば、警察署長は当該申請等を適切に受理しなければな

らない。すなわち、当該警察署が所在する都道府県警察において作成・配布した様式(以下「自県様式」という。)以外の申請書等又は添付書面が用いられていることを理由に当該申請等を不受理にしたり、申請等の際に添付することが必要な書面として規則に定められていないものの添付を求め、この提出又は提示がないことを理由に当該申請等を不受理にしたり、申請等を行う者にそのような誤解を与えるような対応をしたりしてはならない。

自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則

第一条 自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令(昭和三十七年政令第三百二十九号)第二条第一項の規定により自動車の保有者が行う自動車の保管場所の確保等に関する法律(以下「法」という。)第四条第一項の書面の交付の申請は、申請書二通(都道府県公安委員会規則で別段の定めをしたときは、一通。第四条第一項及び第八条第二項において同じ。)を当該申請に係る場所の位置を管轄する警察署長に提出して行うものとする。

2 前項の申請を行う場合において、申請書二通のうち一通(同項の規定による別段の定めにより申請書一通を提出することとされる場合にあっては、当該申請書)には、次に掲げる書面を添付しなければならない。

一 自動車の保有者が当該申請に係る場所を保管場所として使用する権原を有することを疎明する書面

二 当該申請に係る使用の本拠の位置並びに当該申請に係る場所の付近の道路及び目標となる地物を表示した当該申請に係る場所の所在図

三 当該申請に係る場所並びに当該申請に係る場所の周囲の建物、空地及び道路を表示した配置図(当該申請に係る場所にあってはその平面の寸法、道路にあってはその幅員を明記すること。)

3 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、前項第二号に掲げる書面の添付を省略することができる。ただし、警察署長は、当該申請に係る場所の付近の目標となる地物及びその位置を知るため特に必要があると認めるときは、同号に掲げる書面の提出を求めることができる。

一 当該申請に係る使用の本拠の位置が旧自動車(当該申請者が保有者である自動車であって当該申請に係るもの以外のものをいう。以下この号及び次項において同じ。)に係る使用の本拠の位置と同一であり、かつ、当該申請に係る場所が当該旧自動車の保管場所とされているとき。

二 当該申請に係る使用の本拠の位置が当該申請に係る場所の位置と同一であるとき(前号に掲げる場合を除く。)。

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