車検証電子化について(登録だより 第23号)
行政書士法人山口事務所(国立、立川、多摩エリア)です。
月末、年末、年度末に頼れる行政書士事務所として国立市、立川市、多摩エリアのカーディーラー様にも多大なるご評価をいただいております。
普通車・軽自動車・二輪車などの移転・変更・抹消・新規登録など、自動車に関する申請代理はすべて対応させていただいております。
国内トップクラスの大量案件や車両の管理、イレギュラー案件も日々行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
目次
はじめに
政府は行政手続きのオンライン化に力を入れていますが、自動車の手続きの電子化はあまり進んでいません。
そこで電子化された手続の中でも継続OSSをより便利にするために、車検証の電子化が計画されています。
車検証の電子化と、そのメリットを説明していきます。
車検証の電子化とは
車検証のデータは、MOTASというシステムに自動車の登録情報とともに管理されており、現段階でも国土交通省に申請すれば、オンラインで内容を確認することができます。
しかし、ここでいう車検証の電子化とは電子データで情報をやり取りするという意味ではなく、車検証をICカード(とはいってもA6サイズの厚紙にICタグをつけたもの)に変更するという試みです。
したがって、クラウド上のデータを参照することで、自動車への車検証の搭載義務がなくなるなど、そういった大きな変化はなく、紙がICカードに変更されるだけです。(令和4年5月時点の情報です。)
電子化のメリット
紙とICカードの大きな違いは、オンラインで内容の書き換えができるかどうかです。
ICカードの車検証には、カードそのものに記載された券面情報(以下「カード記載事項」)と、カードに内蔵された情報の二種類。
カードに内蔵された電子情報は、民間業者(国土交通省に申請し、車検証の書き換え業務の委託をうけた指定整備工場や行政書士等)が変更できるようになるという制度が予定されています。
指定整備事業者が継続車検をする場合は、カード記載事項(車両の諸元や使用者氏名)には変更はないので、OSS申請した場合、車検証ICカードを運輸支局等へ持ち込まず、審査が完了したら手元の端末でICカードの内部データを書き換えます。
その後、車検ステッカー(委託申請をした指定整備事業者等へ配布)などを印刷してお客様に交付します。
注意事項として土日祝日の休庁日に車検証の書き換えをしたいというニーズはあると思いますが、OSS申請については土日祝日は審査されないので、車検手続をすべて終えることはできません。
移転登録や変更登録でもOSS申請で、かつ使用者の氏名が変わらない場合は車検証を運輸支局等へ持ち込む必要がなくなりますが、委任状や印鑑証明書については現段階では緩和措置の予定はないので、運輸支局等への出頭が一回は必要となります。
したがってメリットは限定的となります。
そもそも所有権留保の解除や同一管轄内の住所変更など使用者氏名や登録番号(カード記載事項)に変更がない手続きに限定されるので、一般の車両については活用できる場面は少ないです。
電子化のデメリット
車検証カードが中途半端なサイズ(A6+ICタグ)なので、車検証自体の管理が、A4の場合と比較して難しくなります。
また、カード記載事項は限定的なものになるので、今までのように車検証のコピーを何かしらの証明手段とすることは難しくなると思われます。
ただ、この点に関しては、ICタグのデータをPDFデータに変換できる機能がアプリで公開される予定なので、車検証のコピーの代わりになると思われます。
車検証電子化までのスケジュール(予定)
まとめ
- 車検証がA6サイズの用紙にICタグがついたものになる
- OSSでの継続車検は、運輸支局に行かなくてよい
- 令和5年1月 導入予定
内容については、今後変わる可能性があります。新しい情報が入りましたら、またご案内いたします。