登録自動車の手続きの種類
登録自動車の手続きの種類について解説します。
自動車登録には大きく分けて6つの登録があります。
目次
新規登録
新規登録は、登録していない(ナンバーが付いていない)状態から、登録をしてナンバーを付けて公道を走れるようにするタイミングで行う申請です。新規登録は、その車が生産されてから初めて登録する新車新規登録と、一度登録抹消済みの車を再度新規登録する中古新規登録で必要書類が異なります。
変更登録
変更登録は、登録内容に変更があった場合に行います。所有者の住所や、氏名、車の使用場所の変更、車の使用者が別人に変わったなどの場合には変更登録となります。車自体の改造(構造変更)でも、変更登録になる場合があります。車を改造するときには、変更登録が必要な場合や、安全性の再確認のために車検を取り直す必要があるケースもあるので注意が必要です。なお、車の売買で名義変更をするとよく言いますが、その場合は変更登録ではなく移転登録ですのでご注意ください。
移転登録
車の持ち主が別人になる登録を移転登録といいます。法律的には、所有権が移転するので移転登録と呼ばれます。住所移転は移転登録でなく変更登録なのでご注意ください。なお、住所変更をやり忘れて、車検証の住所が古い住所のままで、車を売却する場合は、変更登録を省くことができます。所有者が別人になる原因としては、売買、贈与、合併、会社分割、相続など様々なものがありますが、売買や贈与については、譲渡証明書という定形書式の書類を発行して、車を譲渡したことを証明することとなります。合併、会社分割、相続はそれぞれ必要書類が異なりますので注意が必要です。
抹消登録
抹消登録は、一時的にナンバープレートを外す、一時抹消登録と、二度と車を使用できない状態(主に解体処理済みの車)で行う永久抹消登録と、車を輸出する前段階として輸出抹消仮登録という手続きがあります。解体処理済みの車両は、国のシステムで情報連携がされるので、解体処理の通知がなされると、一時抹消登録できなくなります。月内に一時抹消したい場合などは、車両の解体を先行させて一時抹消ができなくなるようなことがないように注意してください。
更正登録
登録内容が間違っていた場合に、修正するのが更正登録です。氏名や住所についての間違いが多いです。登録後時間がかかっていなければ、申請先に資料が残っているので特に申請なく正しい車検証と交換してもらうことができます。資料が残っていない場合は、間違えたことが 分かる資料をつけて更正登録の申請をする必要があります。
抵当権登録
抵当権は、登録自動車を借金や未払金の担保にするときに行います。しかし、抵当権を設定していても、移転登録はできるため車がどこにいったのかわからなくなることもあります。そのため、あまり利用されていません。自動車を担保にするときには所有権留保という形が主に使われます。
また、登録以外にも登録自動車には、抹消中の所有者を変更する所有者変更記録、抹消中に輸出する場合の輸出届出、抹消後に解体した場合の解体届、ナンバープレートが破損し、判別不能になった場合に、登録番号を変更する番号変更、ナンバープレートの種類(ペイントや字光式、図柄ナンバー)を変更する番号交換、各種紛失毀損に対応する再交付の申請があります。
検査の制度について
自動車登録と密接に関わるのが検査の制度です。検査には大きく分けて5つの申請があります。また、実際に車両の検査をするわけではないですが、自動車検査証の書き換えをするときには「検査証記入」という申請を行います。
①新規検査・検査証交付
新規登録の場合に、安全性を確認する申請となります。使用者が申請者となります。実際に検査することもあれば、事前に工場などで検査を行った旨の証明書をつけて実際の検査をしない場合もあります。なお、新規登録時に予備検査証を提出する場合は、新規検査申請ではなく、検査証交付申請と呼ばれます。
②予備検査
予備検査は、新規検査を運輸支局等で事前に受ける制度です。抹消中または未登録自動車の安全性を確認する制度となっています。登録していない車両についての検査なので、例外的に申請者は所有者となります。(車検証が交付されていない状態では使用者が特定されないため)
③構造変更検査
車の構造を変更したときに、改めて安全性のチェックをする検査です。もともとの有効期限に関わらず、検査の日から1年(または2年)の有効期限の車検証が発行されます。
④継続検査
車検の有効期限を延長する手続です。車の安全性を確認します。有効期限の1ヶ月前以降に申請すれば、従前の期限から1年(または2年)有効期限が伸長されます。1ヶ月以上前に車検をうけると、検査の日から1年(または2年)が有効期限となってしまいます。
⑤臨時検査
車両に関して事故が生じているなどの不具合が発生した場合に、国土交通大臣が、検査をするように命令する制度があり、それを臨時検査といいます。
検査証記入
車検証が書き換わるときに行う申請です。通常(Aタイプ)の車検証の場合は殆どの検査で検査証の記入申請を行います。申請者は使用者となります。
申請先と管轄
登録手続きは原則として使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等または、自動車検査登録事務所等に申請します。継続車検や抹消中の手続き、車検ステッカーの再交付はどこの運輸支局、自動車検査登録事務所でも申請できますが、車検証の再交付は、管轄の運輸支局等又は自動車検査登録事務所等に申請します。
なお、軽自動車の場合は、使用の本拠の位置を管轄する またはその支所に申請します。どこでもできる手続は、継続車検やステッカーの再交付、車検証の返納済みのときに行う申請です。登録自動車と同じ考えで大丈夫です。
また、車庫証明(車庫の届出)は、使用の本拠の位置ではなく、保管場所を管轄する警察署に申請します。
運輸支局等とは
都府県に存在します。登録や検査の手続に加えて、事業用自動車に関する許認可等の受付も行っています。北海道は主要な地域にあります。なお、例外的に兵庫は神戸運輸監理部(兵庫陸運部)、沖縄は沖縄総合事務局運輸部陸運事務所という名称です。なお、ナンバープレートの名称は、必ずしも都道府県名ではないので、注意が必要です。(例:東京運輸支局は品川ナンバー(ご当地で世田谷ナンバー)、栃木運輸支局は宇都宮ナンバー(ご当地で那須ナンバー))
自動車検査登録事務所等とは
都府県の支局以外の地域で登録と検査ができる事務所です。東京都の場合は、東京運輸支局の他に、足立、練馬、多摩、八王子に自動車検査登録事務所があります。群馬県の場合は、群馬運輸支局はありますが、自動車検査登録事務所はありません。都府県によってある地域とない地域があります。原則としてその地域名のナンバープレートが発行されます。(ご当地ナンバーという例外もあります。また、 はとちぎナンバー、長崎県の対馬市を管轄する厳原自動車検査登録事務所は長崎ナンバーである等の例外もあります。)沖縄は、陸運事務所と呼ばれ、石垣島など本島と離れた地域を管轄しており、例外的にどの事務所でも沖縄ナンバーが発行されます。