自動車検査証(車検証)の見方
2023年から一般的に白いナンバーがつく登録自動車の車検証はA6の厚紙にICタグの付いたもの(以下、「車検証カード」)になりました。軽自動車は2024年から車検証カードになる予定ですが、まずは、紙の車検証について説明したいと思います。
紙の車検証で見る部分はたくさんありますが、登録をする上で気をつける部分について解説します。登録自動車の車検証は2種類ありますが、一般的なAタイプの車検証について解説します。
目次
Aタイプ車検証
紙のAタイプ車検証は、車検証が電子化される前の一般的な車検証でした。現在の所有者情報が載っているのが、他の車検証との差異となります。代表的な項目として8項目の内容を簡単に下記に記載します。
① | 自動車登録番号または車両番号 | ナンバープレートに書かれた番号 |
② | 自家用・事業用の別 | 事業用のときには手続きが変わるので注意 ナンバーの色も違います。 |
③ | 車名 | 車の通称ではなくメーカー名、譲渡証明書に記載 |
④ | 車台番号 | 車両を識別する番号 譲渡証明書や委任状に記載 |
⑤ | 型式 | 車のタイプ 譲渡証明書に記載 |
⑥ | 原動機の型式 | エンジンのタイプ 譲渡証明書に記載 |
⑦ | 所有者氏名住所 | 所有者の情報 |
⑧ | 使用者の氏名住所 | 使用者の情報 *** の時は、所有者と同一 |
⑨ | 使用の本拠の位置 | 車を管理する拠点 申請先に影響する。 *** の時は、使用者住所と同一 |
⑩ | 有効期限 | 公道を走って良いとされる期間 |
Bタイプ車検証
Bタイプの車検証は、ローン会社やリース会社など大量に車を保有している法人向けの車検証で、所有者欄がありません。その代わりに、車検証発行時の所有者情報が備考欄に記載されます。車検証発行時の所有者情報なので、すでに車検証が発行された後に、所有者の氏名や住所に変更があったとしても、車検証を最新情報に書き換える必要がありません。そのため、Bタイプのメリットは、所有者である法人が、引っ越した場合など、所有者の情報に変更があっても、車検証の書き換えが不要になることです。(車検証の書き換えが不要だと、車を使っている使用者から車検証を回収する必要がなくなります。)
軽自動車の車検証
軽自動車の場合は、使用者と所有者の順番が逆になっています。また、QRコードに使用者の氏名、住所が入っていることが大きな違いです。軽自動車にはAタイプBタイプの区別はありません。
なお、軽自動車のナンバープレートの番号は車両番号と呼びます。
車検証カードの記載
車検証のカードは、所有者の住所、氏名、使用者の住所、使用の本拠の位置が記載されていません。また公道を走ることができる期間である検査の有効期限の記載もありません。
記載が部分の変更があったとき、役所にいかなくてもディーラーや整備工場、一部の行政書士事務所で、カードのデータを更新できることがメリットですが、デメリットとしてそれらの情報を確認するにはICタグに格納された「自動車検査証記録事項」を確認する必要があります。また、スキミング対策で4桁の暗証番号が記載されており、データを確認するためには暗証番号の入力が必要です。
Aの位置には、紙の車検証の情報の一部が入っています。
Bの位置には、ICタグが入っています。
CのQRコードで、登録番号や車台番号、型式などが読み止めますが、車検証の有効期限の部分は、ダミーで999999が記録されています。
自動車検査証記録事項
紙の車検証をA4縦にレイアウト変更していますが、基本的に記載内容は変わりません。AタイプのものとBタイプのものがあるのも紙の自動車検査証と同一です。
車検証の記載事項補足
所有者とは
所有者は車の持ち主のことを言います。車の持ち主は、登録申請をするときには申請者となります。例外的に、ローンで車を購入した場合は、自動車販売店や信販会社が形式的に所有者となります。(形式的な所有者でも登録申請上は所有者として申請義務があります。)また、リース契約の場合は、リース会社所有の車を借りている形になるので、リース会社が所有者となります。所有者になるためには法人格が必要なので、登録自動車については法人の特定の支店や、営業所、個人の屋号、法人格のない同窓会などの団体は所有者となることはできません。
使用者とは
使用者は、車を使用する人です。車検の申請や点検整備をする義務があります。法人格は必ずしも必要なく、公共料金の領収証などがあれば、法人の支店や営業所、法人格のない団体でも、使用者に設定できます。
使用の本拠の位置とは
車を管理する拠点です。基本的には人の常駐が必要です。車を実際に保管する駐車場ではないのに注意が必要です。登録の申請は原則として使用の本拠の位置を管轄する運輸支局(自動車検査登録事務所)に申請(軽自動車の手続は、軽自動車検査協会に申請)することとなります。